******注意******

この短編は、
実際のSOADと全く関係ありません。

本編と世界はリンクしていませんし、
実際のキャラとは無関係です。


**************






〜第2部の始まり〜


「ドジャーさん!起きてください!朝ごはん食べないと死にますよ!」
「・・・・・うっせぇな死なねぇよ・・・・・」
「僕は死ぬんです!」
「・・・・・・・・・・じゃぁ死ねよ!」

そう言ってドジャーはアレックスの手をはじき、
布団に包まった。
とにかく寝たいらしい。
だがここでアレックスは引くわけにはいかない。
なぜならお腹が減っているからだ。

「ドジャーさん!ほら!早起きは3グロッドの得ですよ!」
「・・・・・・じゃぁ3グロッド払うからもうちょい寝かせてくれ」
「お金よりご飯です!!!」
「いいから散れ散れ!」

ドジャーはどうしても起きようとしないようだ。
アレックスはため息をついた。
このままではご飯が食べられない。
だが諦めるわけにはいかない。
なぜならお腹が減って・・・・・

ふと
机の上の物に目がとまった。
ドジャーのダガーだ。
アレックスはそれを手に取る。
そして振り上げた。
そして言う。

「朝ごはんをくれてやる!!」

「うぎゃあああああああ」

「・・・・・・・・」




「し、死んでる・・・・・・・・」



-第2部 完-





























〜デス苺ノート〜


「メッツ貴様!拙者に!拙者によこせ!」
「誰が渡すか!死んでも渡さねぇからなオラァ!」

メッツのベッドの上で繰り広げられる壮絶なマリナ特製ケーキ争奪戦。
このままではケーキのためにベッドが破壊されてしまう勢いであった。

アレックスはイスカとメッツが争うベッドの横へと歩を進める。
そしてケーキの箱を開け、そこから出てきたショートケーキ
その上部で輝く苺を指でつまんだ。

「食べ物のために必死になる気持ちは分かりますけどね。だっておいしいんですもん」

アレックスは摘んだ苺を口の上に持っていき、
そして大きく口を開けて・・・・・・・・

「貴様」

あとは苺を落下させるだけというだけの状況。
そこでアレックスは身動きひとつ取れなくなった。
首筋にイスカの剣が突きつけられたからだ。

「もしその苺がお主の口内へ落とされるような事があったら・・・・・
 苺がお主のノドを通る前に・・・・・・・・・・拙者の剣がお主の首を飛ばすことになる」

アレックスの表情が変わる。


(何を言ってるんだこの女・・・・・この僕に目の前の苺を諦めろというのか・・・・
 フッ、その契約。問題外だよイスカ。愚問だ。あまりにもくだらない。
 代わりに背中にメロンでも生えるというなら考えたけどね。
 この僕が命ごときのために苺を諦めるとでも思ったか?
 いすか、しってるか。ぼくはりんごいがいもたべる。
 ・・・・・・・・・・・・・・・つまりこの女は試している。この僕を・・・・・)

アレックスの視線が泳ぐ。

(クッ・・・・女を殴りたいと本気で思ったのは産まれて初めてだ・・・・・
 だがたしかに今の僕の立場。この苺を得るのはかなり至難な状況だ。
 苺はもともとはメッツへのプレゼントだからだ。だが蚊帳の外であるのはこの女も同じ。
 命を盾に脅してきているのはこの女も同じ境遇だからだ。さてどうする・・・・)


(最善は苺と命・・・・両方を取ることだ。命を諦めるのはその後でも遅くない。
 問題は・・・この女とメッツの執念だ。両方ともマリナのケーキだからこその執念。
 マリナのためなら死んでもいいと思ってる馬鹿だ。この僕の食への執念に負けてはいない。
 ・・・・・・・いや、一度ふっかけてみる価値はあるはずだ・・・・)

「イスカさん」
「ぬ?」
「僕にこの苺を・・・」
「無理だ。次はないぞ。その苺を放せ」

(チッ・・・・駄目だこの女・・・・・早くなんとかしないと・・・・・
 クソっ・・・・面倒だ。しょうがない。これだけはしたくなかったが・・
 苺のためならばしょうがない・・・・腕時計に槍は仕込んである・・・・・・・二人とも殺すか?
 僕から苺を奪おうとするものが天国や地獄にいけると思うなよ・・・・・
 メッツ・・・イスカ・・・邪魔な者は全て死に・・・僕が新世界で苺を・・・・)

ベシッ

「痛っ!」
「いいからさっさと返せアレックス」
「・・・・・・・はい」















〜イスカVSヤンキ〜

「99番街に生きていた者が道場・・・・・・おかしな話だな
 無法地帯で生きてきた者が型にはまるなど」
「疲れたんだよ・・・・っとぉ」
「・・・・?」
「いつまでもカラスみてぇにゴミをつつく生活がな
 だが気付くと俺には剣の才があった。そしてそれを必要としてくれる場所もな
 ここはぁ居心地がいいんだよ。カラスが白い世界を望んじゃ悪いですか・・・・っとぉ」
「・・・・・・カラスは死ぬまで黒い鳥だ」
「塗れば白くなれる事に気付いたんだよ・・・・・っとぉ
 さぁおしゃべりは終いだ。あとは剣で語りますかね
 それがこの道場の流儀だ・・・・・・ですよね師範?」

「いや、大事なのは"3"だ。3は俺に勇気と安定を与えてくれる!」

「いや、誰お前」















〜ドジャーVSツィン〜


一方ツィンは体勢を低くし、
右手の剣を左に、左手の剣を右に
まるで自分を抱えるように交差して構えた。

「ごちそうをくれてやる!」
「二花剣・・・・・ハルジオン!」

ドジャーの8本のダガーが飛ぶ。
ツィンはドジャーに向かって踏み込んだ、
体勢を低くしたまま踏み込み、小距離を走りながら剣を半分で振り止める。
二本の剣はXの字を形成してツィンの前で剣による防御を作った。
ボクサーでいうところのクロスガードだ。
そしてドジャーのダガーの半分はくぐり、
半分は剣が防御した。
そしてドジャーに向かって二本の剣が振り切った。

「二本で居合い斬りか・・・・」
「なんなんだあの技は?」
「つまるところ・・・・」
「鬼斬り」
「鬼斬りですね」
「ゾロだな」
「ツィン、お前漫画から技パクって恥ずかしくねぇの?」

「・・・・・・・・・・・」










〜ドジャーVSツィン2〜




「師範は・・・・・闘志をものにしていた。
 ライトニングスピアの雷をそのまま槍に滞在させる事に成功していた・・・・
 俺も・・・・・・やっと修行でその域まで達した」

突然ツィンの二つの剣が・・・・
赤く燃えた。
二つの剣に炎がまとわりつき、華々しく燃え盛る。
火花・・・という言葉があるが。まさしくそれであった。
燃える炎から花びらが散るがごとく火花が飛ぶ。
烈火・・・・いや烈花であった。
二つの炎の剣を両手に広げるその姿。
まさしく『両手に花』だった。

「二花剣・・・・サザンカ。・・・・・・・フレイムスラッシュだ」

「焼き鬼斬りだ」
「焼き鬼斬りだな」
「ツィン。お前ワンピース大好きだな」

「・・・・・・・・・・・・」
























〜命の価値〜


「・・・・院長・・・・・・・・ディアンを・・・・・・・犠牲にしたって事ですか・・・・・・・・」
「あ・・・あなたそれでも医者ですか?!」

「医者ですかだって?・・・・ひひ・・・・・何を言ってるんだ。
 僕ほど人の命を助けるために最善を尽くしているものはいないよ?
 もし1人の犠牲で5人が助かるなら
 もし10人の犠牲で100人が助かるなら
 もし100人の犠牲で数千人が助かるなら・・・・・やらないわけにはいかないだろ?
 命は皆平等だ。より多くの命が助かった方がいいに決まってる
 正論だろ?
 一人の体がより多くの人生きている人の糧となるなら・・・・・・・
 それは尊い犠牲だと思わないか?
 実際あのクソ騎士一人の体で4人の尊い命がが助かったんだ」


「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「せ、正論だ!!」
「・・・・・・・・・正論だな・・・・・」
「納得です!」
「・・・・・・・うん・・・・・・・・・じゃぁディアンぐらいしょうがないな・・・・・・・・」

「ちょっとまてぇええええええええええ!!!!」

その声は、
死んだと思っていたリヨンだった。
死体であるはずのリヨンの体が突如起き上がり、
こちらに向かって叫びをあげていたのだ。
そしてリヨンは言う。

「・・・・・・・・それはしょうがないかもしれない」

「「「分かったから死んでろ」」」



















〜メイジプール戦前 三騎士のお礼〜


「ロッキーやコロラド狙いっつーのもあるだろう。どちらも将来有望だ。
 それに事前にきた声明によると"降伏して従え"だとよ。俺らの力も欲しいんだろう」
「・・・・・・・・降伏こそ幸福・・・か。愚かだ。そんな選択肢我らにはない」
「そして目的はもう一つ。魔術師なら誰もが欲しがる至高の珠
 ・・・・・・・"オリオール"を狙っているんだろう」

「「オリオール?」」

「世界一のオーブだ。ロードカプリコ達の総力の結晶なのだが・・・・・物凄い魔力を秘めている。
 その理由は・・・・・まぁ聞くより見た方が早いだろう。フサム。そこのボックスをとってくれ」
「・・・・・・・・・承知」

フサムは部屋の端に行き、
そしてそこに飾り付けてあった宝箱のような箱を手に持ってきた。
そしてその箱を・・・・・開けた。
と同時に・・・・・


「・・・・・・なんですかコレ・・・・・」
「・・・・・・猿?」

「紹介しよう。ボナンザだ」

「「知らーーーん!!!」」


















〜シャル姉妹 家出の理由〜



「なんで家から出て行ったの・・・・・・・・いや、なんで逃げたの!?」
「逃げたくもなるわ、あんな家。実力が全ての名門シャル家
 マジックボールしかできない私にとっては居心地がいいわけないじゃない。
 マリン。あなたのように才能があったら私だって頑張ってたかもね」
「それはお姉ちゃんがスペルブックもロクに見ようとしないからじゃない!」
「だって出来る気がしないんだもん」
「フフッ・・・・」

マリンは突如笑い、
自分の懐を探り始めた。

「そんなお姉ちゃんのために・・・・ジャーン!」

マリンが取り出したのは一つのスペルブックだった。

「このスペルブックはマイソシア教育委員会で発行された特別製!
 一日15分寝る前に読むだけであなたもあのスペルを簡単に習得!
 魔法ができないどころか掛け算も出来ない人にも分かる猿頭仕様!
 全て呪文はひらがなで表記されており、文字も大きく目に優しい!
 漫画が挿入されているためやる気のないあなたも楽しく魔法習得!
 これを読んだポンナイトはなんとメテオを習得するに至ったほど!」

「・・・・・・ゴ・・・・ゴクリ・・・・」

「スオミのある魔術師はこれを買って読んだあと言いました。
 「この本のお陰で自信がつき、彼女までできました」
 「このスペルブックのお陰で腹筋が割れました」
 「これを買ってよかった!いつのまにか大金持ちに!」
 これらは全て購入者の本音で嘘偽りは一切ございません!」

「・・・・・・・お・・・お金持ちに・・・・」

「今ならこの1巻は特別価格で9万8千グロッド!
 さらに5巻までまとめて購入するとたった3万8千グロッドで買えて超お得!」

「い、1万グロッドもお得・・・」

「さらにさらに今ならこれにモス皮とセイジリーフとホロパがついてくる!
 お問い合わせはホームページ「mysocia_marine.com」まで!
 さぁお姉ちゃん!買うなら今よ!買う?買っちゃう?」

「いらん」

「いらんのかい」


















〜第6感〜





「こんなとこに・・・・・人がいるっていうんですか?」
「あぁ。ミダンダス=ヘヴンズドアって奴だ。
 ミダンダスは・・・・・・・・・・ま、言ってしまえば"世界一のひきこもり"なのさ」
「ひきこもり・・・・・・・ですか」
「違う。世界一のひきこもりさ。ミダンダスの野郎はよ。
 この誰もこない死んだ宿の、誰も見つけないような隠し階段の下で・・・・・・」
「下で?」
「もう10年以上暮らしてる」
「・・・・・・・・・・そりゃ最強だ」
「カカッ!そうだろ?そしてオブジェを隠すには最高の場所だ。じゃぁ降りるぜ」
「待ってください」

アレックスがドジャーをひきとめる。

「ん?なんだアレックス」
「なんか今第6感がピーンときました」
「は?」
「なんかそのミダンダスさんは悪い人な気がします。
 いいですか?・・・・・・・・僕の予想では実はGUN’Sのボスです」
「マジで!?」
「はい。しかもそのうちレイズさんが巻き添えで死にます」
「マジかよ!?」
「はい。そしてキーワードを出してきます。
 キーワードは"ミッドとアス"。これは"MID&AS"でミダンダスという意味です」
「マジでか!?」
「多分誕生日は5月31日双子座のB型。
 身長は175cm体重は65kg。歯磨きは寝る前だけでトイレは一日三回」
「お前すげぇな!まだ会った事さえねぇのに!」
「はい。第6感がピーンときました」
「よし、じゃぁやめとこう」

そうして二人は平和に家路についた。



-第2部 完-






















〜タカ坊の逆襲〜





「あらら、騒がしいと思ってきてみりゃぁ・・・・あんたですかいイスカ嬢
 ここは花見席じゃぁねぇんでさぁ。少しおうびんにしてやくれやせんかねぇ
 ここはあっしの仕切り場でさぁ。郷に入っては郷に従えともいいやすでしょぅや
 ま、あんたにゃぁちと無理強いな話かもしれやせんがねぇ。・・・・おいタカ坊。火ぃ。」
「へい」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
「お、おいタカ坊!火っつってんじゃねぇか!」
「へい」
「いや、だから!火ぃつけろよ火!」
「・・・・・・親っさん」
「・・・・・・なんだ」
「"火"なんて一言じゃぁ相手に伝わりません。最初から"火をつけてくれ"と言ってください。
 そんなのが通用するのは子供までですよ。分かりましたか?」
「・・・・・・へ、へい・・・・」
「・・・・・・・で?」
「火を点けてください・・・・」
「へいへい」



















〜ドジャーの憂鬱〜




「そゆこと、んで俺達がGUN'Sとぶつかる。倒す。めでたし。以上
 俺らも世界もみんなハッピー。神様もビックリの素晴らしさだろ?絵本にでもするか?」

「本当に絵本のような話だよ」
「GUN'Sのギルメンの総計は王国騎士団規模。万に近いギルドに9人でぶつかるわけだからな」
「途方もない話だな」

「それがメジャードリームだ。そうだろ?
 俺達はたしかにゴミ箱(99番街)で育った者がほとんど。
 俺達は世間的にはゴミだぜ。が、ゴミをナメんなと言ってやりてぇ
 ゴミにも誇りと根性。そして光があることを、俺達は示すんだ。・・・・・・どうだ?」

ドジャーはニヤっと笑って指を指す。
誰をとかでもなく、
《MD》全員に向けて。

「そんな途方もない話っ!ボクは賛成できないっ!皆が危険なのには変わりないっ!
 ボクの話は聞いていたのかい?!絶対誰かが命を落とす事になるって言ってるんだ!
 いや、最悪全滅・・・・・。なぁドジャー。仲間を捨てる決断ほど醜い事など・・・・・・・・」

「ドジャー!俺もヤダぜ!面倒だ!!」

「え・・・メッツも・・・」

「拙者も御免こうむるな」
「私もお店があるしねぇー」
「パパ達心配するよぉ〜・・・・」
「オイラもそんなヒマじゃないんだよな〜」
「・・・・・・・・・仕事の方が大事だ・・・・・・・・」

「え?・・・え?」

「僕もあまりノリ気じゃなかったんですよ・・・・」

「お、おま・・・アレックスまで・・・・」

「じゃぁなドジャー」
「帰るわー」
「・・・・・もうくだらん事で呼ぶなよ・・・・・・・」

ガタガタ

「ちょ、ちょお前ら待てって・・・・・・・・・・」



バタン。



「待って・・・・・・」



















〜ドジャーの憂鬱2〜





「お前らの誰か。捕虜として身柄を拘束させてもらう。人質という奴だ。
 一週間後。また連絡を入れる。その時オブジェとその人質を交換だ
 さぁさぁ、それで誰が捕虜になるんだ?」
「このままこのピアスのギルマスを銃突きつけたまま持ってけばええんか?」

誰からか歯軋りの音が聞こえる。
"いいのか"と聞かれて"いい"わけがない。
だが・・・・どうしようもない。

ドジャーがハァとため息をつく。

「しゃぁねぇ。俺が・・・・・」

「ドジャー」

ドジャーの肩に一つの手が置かれた。
優しい手。

その手はエクスポのものだった。


「・・・・・頑張ってこい」

「えぇ〜・・・・・」
















〜ビーチスプリントの報酬〜

賭場全体に放送がかかる。
レース場の雰囲気からして、
どうやら1レース終わったようだ。

[ 着を締め切ります。第4レースが終了しました。只今のレースの結果です
  1着は『ホワイトインパクト』30分54秒
  2着は『オーグロキャップ』31分30秒
  3着は『サイソクノミドリガメ』33分05秒
  4〜18着以下は着なし。死亡と判定します     ]

「死亡!?レースで死ぬんですか!?」
「そりゃ死ぬさ。スプリントコースを走るんだぜ?
 モンスターがうようよだ。さらにゴールしたもんが勝ちってだけのルール。
 ピュタ靴、速度ポーション。守護動物搭乗なんでもあり。
 その上ランナー同士での妨害行為・・・・つまり殺し合いも許可されてるんだ」
「それまた・・・・野蛮ですね」
「だがその分ランナーの賞品はヨダレもんだぜ?」

「え?優勝すると何がもらえるんですか?」

すると、
ドジャーは右手を力強く握り締め、
涙をポロポロとこぼし、
感動に身を震わせながら言った。

「それは・・・・・・自分の足で走りきったという功績さ・・・・」

「いや、いらない」
























〜ユベンの案内〜



「アレックス。ロウマってのはどんな奴なんだ?」
「え?」
「いや、会った事あんだろ?」

会った事・・・・
そりゃ当然だ。
だが、話そうと思っても、
ドロイカンの上のユベン副部隊長の視線が気になる。

「ん〜・・・・なんていうか・・・・・・気の難しい方ではありますけど・・・・」
「カッ!最強って言われてのぼせてる野郎か」
「ガハハ!ぜってぇ俺のが強ぇってのぉ!」

「おい、盗賊と斧戦士」

ドロイカンナイトの上からユベンが強めの声を出す。
その目はドジャーとメッツを睨んでいた。

「ロウマ隊長への侮辱はこの俺が許さんぞ」

「あらら、隊長にゾッコンLOVEってか?
 さすが騎士団。男ばっかの集団ってのは怖いねぇ〜」

「・・・・・・・・・」

「ちょ、否定しろよ!!」

「・・・・・・・・」

「顔を赤らめるなっ!!!」















〜VSロウマ〜


「どんなにあいつが凄かろうと・・・わいより速いわけやない・・・・
 力で勝てなくとも・・・・あいつにはわいを捕らえることなどできへんはずや・・・・
 速さは強さや・・・・速い事は正義や・・・・・大丈夫・・・・・
 やから世界であいつに対抗できるとしたらわいだけや・・・・わいなら・・・・
 わいなら勝てるはずや・・・大丈夫や・・・・わいなら・・・・わいなら・・・・・・」

ブツブツと漏らしながら、
ダガーを握り締めた。

「わいなら!」

それを最後の言葉に、
エンツォは姿を消した。

エンツォはロウマに向かったのだ。
その速さ。
ドジャーまでも見失っていた。
エンツォの最高速だと理解できた。
アレックスとドジャーにも見せていない。
全速力。
最大ギア。
見えない速さ。
その極地。
言うならば音速。
風を抜き、
対象が鼓膜で捕らえるよりも速く。

・・・・・・・

何が起こったか分からなかった。

気付くと、

ロウマの腹にエンツォのダガーが突き刺さっていた。

「ぐぁぁああ!速過ぎる!!!」

「か、勝った!!!!!」














〜VSロウマ2〜


「あがらはああァァぁアアあ亜ああ゙あああ」

鈍く、脳まで響き渡るような金属音が鳴り響いた。
メッツの斧がロウマの槍に止められた音だった。

「こんなものか、弱き獣よ」

ロウマの重い言葉。
だがその言葉。
それはメッツの脳に届くことはない。
メッツは自我を失い。
ただ闇雲にロウマを襲うだけの殺人マシーンなのだから。

「えは・・・死が!!!!」

メッツは左手の斧を振り落とす。

気付くと・・・・・

メッツの斧はロウマの頭に突き刺さっていた。

「うぎゃあああ!こ、こいつ強い!!!」

「か、勝った!!!」

















〜VSロウマ3〜


「ロウマさんに勝ちたいんじゃなく・・・今、自分に勝つためです」

「悪いな。意地の悪い質問をした。目を見て分かっていた」

「あぁぁぁああ!!!!!」

突っ込んだ。
真っ直ぐ。
ただ真っ直ぐ。
槍を突き出し、
走る。
突っ込む。
そして、

「らっぁあ!!!」

槍に力を込めた。

だが、突き出した槍は・・・・・・ロウマの腹に突き刺さった。

「お、お前の強さはこのロウマに届く強・・・・痛いぃいいいい!!!」

「か、勝った!!!」
















〜VSロウマ4〜



ドジャーは両手を広げて言う。

「・・・・・・俺の大事な二人の仲間がノびてる。アレックスとメッツがよぉ!!!
 理由(過程)なんてどうでもいい!俺の身内に何してくれてんだこの野郎!!」

ロウマが振り向いた。

「どうして欲しいのだ」

「決まってんだろ」

ドジャーは腰元からダガーを二本取り出す。
両手に一本づつ。

「俺はこのムカっぱらを晴らしてぇ。てめぇを逆に見返してやりてぇ!」

ダガーを両手でクルクルと回転させ、
ピッと両親指で止めた。

「俺と戦え!うりゃああああああ!!!」

ドジャーが突っ込む。
ダガーを突き出して。

「ふん。弱き者め」

「ぎゃふん!」

ドジャーは吹っ飛ばされて転がった。

「な、なんで俺だけ・・・・・・」

ドジャーは・・・泣いた。


















〜爆弾と取引〜




「アルミニウムゴールドパウダー・・・・・・火鏤岩アンモニウム・・・・・・金鱗ポリエステン粉・・・
 火薬用ファーマシーの混合薬・・・分離薬・・調製薬・・・etc・・・・
 まさか・・・・・・・・・・・・・・これで作れってのかボクに!!!??」

「そう、ドラグノフ様は作れって言ってるのさ。
 ・・・・・・・・燃料気化型サンドボム・・・・・簡単言えば"核爆弾"をね」

エクスポはまた鉄格子に飛び掛る。
鉄格子はギシギシと悲鳴をあげた。

「そんなもの・・・・できると思ってるのか!!!!」

「君なら出来るだろ?『時計仕掛けの芸術家(チクタクアーティスト)』」

エクスポは鉄格子に張り付いたまま・・・
うなだれた。

そして目を見開く。

そして・・・・強く言った。

「だが断る!!!」

「・・・・・・・・・・・・・出来れば・・・・作ってくれる事を願うよエクスポ。
 君の無事を・・・・他のメンバーの無事を願うならドラグノフ様の命には従っておくのがベストだ」

「だが断る!!!!!このモントール=エクスポが最も好きなことの一つは!
 仲間や他人の命がかかっているのに「NO」と言ってやる事だ!!」

「・・・・・・・・・・・・・・・」






















〜GUN’S戦前の下準備〜


「正午という名の"丑三つ時"だ。パーティの準備はいいかベイビー」
「ガハハ!パーティねぇ。たしかに戦場はパラダイスだな」
「カッ!YES。そうだ。いつもパーティは12時だ。シンデレラとは時計一周違うがな
 まぁ武器がパーティの招待状だ。忘れるなんてヘマはなしだぜ?
 アイテムも十分に持ってけよ。かさばるぐらいが調度いい」
「あとハンカチと保険証もですね」
「カッ!冗談だけうまくなったなアレックス」
「ガハハ!じゃぁ線香と墓も持参してくか?」

それは冗談になってない・・・・

「ま、それは死んでから買えばいい。今は必要なのは生きるのに必要なもんだけだ。
 GUN’Sと戦うためのな!見ろ!」

「え?」
「ん?なんだそりゃ」

「フッフッフ・・・これは名づけて"ジャスティンごろりんマシン"!!!
 なんとこれはあーやこーや面倒な事はほっといて、
 とっととジャスティンがこっち側に戻ってくるアイテムだ!
 第2部を6話くらい吹っ飛ばせるショートカットアイテェーム!!」

「おー!!」
「ガハハハ!!そりゃすげぇ!!でも俺のもすげぇぞ見ろよ!」

「なんですなんです?」
「なんだなんだ?」

「じゃーん!!"俺様常時正常化クスリ"!!!
 なんとこれがあれば俺が暴走してもすぐに正常に戻る!!
 これで仲間同士で戦うとか無しにスムーズにGUN’Sと戦える!!
 第2部後半は特に山なし谷なしで敵の本拠地にGO!!!」

「おぉおー!やるじゃねぇか!」
「それがあればみんなでボスのところまでいけますね!!
 1話くらいで終わるかも!でも僕のも凄いですよ!!」

「なんだなんだ?」
「どれどれ・・・・」

「パンパカパーン!!"最強印のきびだんご"!!!
 これがあればこの後裏切ってしまうロウマさんが、犬のように僕達の言う事を聞きます!!
 ピルゲンさんも騎士団長もボコってくれます!!ハッピーエンド!!」

「な、なんだってー!!」
「無敵じゃねぇか!!!すげー!!」

「そしてもう一つ!パンパカパーン!!"超大虐殺爆弾"!!!
 もうミルレスでGUN’Sとも戦うのが面倒!
 そんな時はこれ!!もうミルレスごとドカーンといきます!!」

「うひょー!!」
「結局バッドエンドー!!」


「・・・・・・・まて・・・・・・・・・・・」


ガチャ・・・・


「・・・・死ねばいいのに・・・・・・何故そんなにあって・・・・俺を救うアイテムが出てこない・・・・・・・」

「「「・・・・・・・・・・・・」」」





















〜第13楽章〜


院長室のドアが開き、
フラフラと入ってきた者。
・・・・・それは1人のナースだった。
見るからに顔色が悪い。

「・・・ド・・・・Dr.レイズ・・・・院内が・・・・・・たい・・・・へ・・・・・」

そこまで言うと、
ナースはヨロリと体勢を崩し、
ドサりと倒れた。

「な、大丈夫っ!?」

チェスターが窓枠から飛び降り、
駆け寄る。
チェスターがそのナースを起こそうとした時だった。

「・・・・触るなチェスター・・・」
「・・・え?なになに?」
「・・・・・・・・触るな・・・・・・・」
「でもっ!この人大変ジャン!」

慌てるレイズをよそに、
レイズはそっとオペ用の手袋をし、
ナースに近寄る。

「・・・・・・・・・・・・見てみろ・・・・・・」

手袋越しにナースの顔をもちあげた。
その顔色は・・・・・
悪いなんてものじゃなかった。
青くなってるとかじゃない。

・・・・・・緑。

「・・・・・・・ナメック星人だ・・・・・・・・」
「何それっ!?」
「・・・・・・・・タッカラプト ポッポルンガ プピリットパロ・・・・・・・」
「何って!?」












〜名前〜


「じゃぁ今日から友達ね。あんた名前は?」
「・・・・・・・・・・・・・・・アスカ・・・・アスカ=シシドウ」
「飛鳥(アスカ)ねぇ。いい名前じゃない」
「・・・・・・・・思い出した」
「ん?」
「父上は・・・・・この名のように・・・飛ぶ鳥のようになれと・・・・・」
「ふーん。いいお父さんじゃない」
「・・・だが・・・・・この名は捨てる」

イスカは立ち上がった。
そして涙をぬぐった。

「拙者は今、一度死んだ。アスカは死んだのだ。ここから新たな人生を調理する」

「じゃぁ新しい名前を決めなきゃね。でもせっかくのお父さんの名前を捨てるのも駄目ね」

マリナは優しく微笑んだ。

「決めた!こんなのはどう!?」

「え?」

「"げろしゃぶ"か"フーミン"」

「ど、どっちもイヤだー!!!」
































〜VS量産型スマイルマン〜



レイズはすでに両手を広げて諦めていた。
ドジャーとマリナでダメージを与えていないに等しい。
イスカの剣であの巨体を斬りようがないし、
アレックスの槍も同じ。
特にレイズとアレックスは聖職者だ。
パージフレアなどスマイルマンの下からチョロンと出しても股間が焼ける程度だ。

「手を出すだけ無駄ですね・・・・・」
「・・・・・・・・・・だな・・・・・・・・」

そう言っていると、
スマイルマンの大きな鉄のお腹の真ん中に、
小さな小さな何かが見える。
スマイルマンのヘソかと思ったが、
人型。
ぶら下がっているように見える。
そして・・・・
イスカにも見える。

「ぬ、抜けぬ・・・・」

アレックスとレイズが同時にため息を吐いた。
イスカの強さは重々承知だが、
いきなり剣で、
それもスマイルマンの中心に剣を差し込んだところで無駄に決まっている。
ようやく剣が抜け、
地面に落下して尻餅をつく女侍の姿は、
なかなかコミカルで頼りない。

と、思うとその横。
スマイルマンの腕。

「ぬ、抜けねぇ・・・・」

ドジャーがダガーをスマイルマンに突き刺したまま
ブランブランとぶら下がっていた。

と、思うと逆の腕。

「・・・・・・・・・抜けない・・・・・・・・」

レイズのスタッフの刃がスマイルマンの腕に刺さり、
レイズがブランブランと揺れていた。

と、思うとアレックス自身。

「・・・・・・・ぬ、抜けません・・・・・・・・」

スマイルマンの背中に槍を刺したまま、
スマイルマンにブランブランとぶら下がっていた。

と、思うと、
スマイルマンの腹の部分。
そこではマリナが・・・・・

「さ、刺さりさえしない・・・・」

ガコンガコンとギターを腹にぶつけていた。


「ギ・・・・ガ・・・・・・」


優しいスマイルマンは、
日が暮れると5人を家まで送ってあげた。




・・・・・・・・・・めでたしめでたし・・・・と」

レン爺は絵本を閉じた。

「爺ぃちゃん!この人達馬鹿なの?」

「ほほ、フィリーと比べればただの馬鹿共じゃ」

「じぃちゃん!僕あんな大人だけにはなりたくない!」

「ほほ、なるほうが難しいぞ。さて御飯にするかの」

「僕ホロパチャーハン大盛り!!」

「それはやめとけ」









〜ナックル登場〜



「オイラは・・・・・・」

チェスターは片手で跳び、
もとの状態に着地してポーズを決めた。

「オイラは世界のスーパーヒーローチェスター君だ!!!」

決まった・・・
とチェスターは思った。

「スーパーヒーロー?」

「そう!スーパーヒーロー!」

「スーパーヒーローって何スか?」

「ヒーローを超えたヒーローだぜっ!」

「ふーん。あ、自分?自分ッスか?自分は・・・・」

「いや、聞いてないジャン」

「・・・・・・・え?ここは自分の自己紹介じゃないッスか?」

「いい。多分忘れる」

「あ・・・いや・・・・だからこそ自己紹介を・・・・自分は男の中の男。44部隊のナックル=ボー・・・・」

「いや、いい。絶対忘れる。だってお前存在感ないもん」

「え・・・・」

「本編に出てきた44部隊、あんたとユベンだけなのにあんた存在感なさすぎ」

「・・・・・・」

「むしろ空気?」

「い・・・いや・・・きっとこれからチェスターのライバルとして出番が・・・・」

「ない」

「・・・・・」

「このままフェードアウトして消える」

「そんな・・・・」

「ある意味単体打ち切り」

「・・・・・・・・・・」

「テコ入れするしか生き延びる方法はないね」

「・・・・・・・・・・・・・・・・」





その後、
ウサ耳を買って帰るナックルの姿を見た者がいるらしい。
















〜声〜



真っ暗だった。
何も見えない。


「そっか、オイラは負けたのか・・・・・」

チェスターは真っ暗な世界の中。
重い体を動かそうとも思わなかった。

「メッツに殺されるならしょうがないか・・・・・・」

真っ暗な世界。
体も動かない世界。
そこでチェスターはとうとう目をつぶろうとした。


              負けるのか?チェスター

声のようなものが聞こえた。

              お前は負けるのか?
              それでいいのか?

              お前は負けが許せるのか?
              負けを受け入れていいのか?
              それでいいのか?

「・・・・・・?・・・・・・誰ジャン?シショーか?」


              諦めたらそこで試合終了ですよ


「・・・・・あ・・・安西先生・・・・・・・・・・・・・・」













〜イミットゲイザー〜

しぶしぶチェスターは右腕に気を滞在させる。
先ほどまでより大きな気の力。
バチバチと弾けるエネルギー。
気が凝縮されていくように、右腕が輝いていく。

「危ないから動くなよメッツッ!!!体に穴空くぜっ!」

震えるような右腕。
気が右腕で振動している。
そしてその右腕を・・・・
突き出す。

「師匠直伝っ!イミットゲイザー七式っ!!!
 イミットレェェーーーザァァーーーーーー!!!!!!!!!」

突き出された右腕から放射されるイミットゲイザー。
いや、レーザー。
まっすぐ突き進む光のように、
放射され続ける一本の気の光。

「あ゙ガぁああ!!!」

それはメッツの斧を突き抜ける。
重く頑丈なグレートアックス。
それを簡単に突きぬけ、砕いた。

「ふぃぃ・・・・」

チェスターがレーザーの放射をやめる。
そして一息つく。

「オイラのイミットゲイザーは108式まであるぞ」


















〜追いかけっこ〜


「おらっ!どけっ!散れ!燃えるか消えろ!!」

ダニエルは炎を振り回しながら、GUN'Sの群れの中へ突っ込む。
いや、逃げ込む。

「どけっ!どけって!!!」

三騎士から逃げようと人を燃やしながら、
GUN'Sの群れをかき分ける。
草むらに駆け込んだかのように、
炎で人を燃やしながら必死に逃げる。

「逃がすか人間!!参る!!」
「応!!!」
「・・・・承知!」

当然三騎士も追う。
一瞬で三つの伝説が跳ぶ。
そして目の前の人ごみ。
目の前の邪魔な人間。
まるでただの邪魔な障害物のようにGUN'Sの者達の首を飛ばす。
カプリコソードを振り回してポンポンと花でも摘むかのように人の首を飛ばし、
小さな三つの伝説はダニエルを追う。

「ヒャーーハッハ!やべぇ!マジやっべぇ♪
 おーらどけ!燃えろ!ダニエル様が逃げるぞ!どけっ!燃えろ燃えろ!!」

ダニエルは人という人を燃やしながら、
自分は人ごみの中を逃げまどう。
1500のGUN'Sの群れはもう大パニック状態だった。


そして本人達は・・・・・


「応応〜♪ 待て待て〜♪」
「参るぞ〜♪」
「・・・・承知ぃ♪」


「アハハハ〜♪ つかまえてごら〜〜〜ん♪」



「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
「キモい・・・・・」
















〜ジャスティンの女神〜


「見れば分かるさ。アレックス君。だからとりあえずは俺らに妬くといいよ。
 さぁハニー。ドジャーとアレックス君の度肝を抜かせてやろうぜ」

ラスティルはコクンと頷いた後、
・・・・一人。
単身。
彼女は単身で歩き出した。

「え?」
「お、おい・・・・」

ラスティルがこちらへ歩いてくる。
トコトコと。
あまりにも・・・・普通だ。
ただの女性の徒歩だ。
危なっかしさまで感じる。
人よりも歩くスピードさえ遅いんじゃないだろうか。

「ど・・・どう見るアレックス・・・」
「・・・・・・そ、そうですね・・・」

歩いてくるラスティル。
服装。
ただの女性の服装だ。
そう、
職業服ではないのだ。

「服装はフェイクか?」
「・・・でしょうね。だけど武器も防具も持ってません・・・」

アレックスの言うとおり、
彼女は武器らしき武器どころか、
道具の一つさえも持っているようには見えない。

「手ぶらってことは・・・修道士か!」
「いえ、魔術師や聖職者という可能性も・・・・」

ラスティルがどんどん歩み寄ってくる。
ただの女性がただただ歩いてくる。
どれだけ警戒しても・・・
どれだけ注意しても・・・
彼女に怪しい部分が見られない。

「・・・・・分からない」
「アレックス!フェイクだ!やっぱあの女はただの女だ!
 ジャスティンがよこしたオトリ!気をつけるべきはジャスティンだぜ!」

「フェイク?オトリ?ただの女?・・・・フフッ」

ジャスティンはおかしくて笑った。

「いけ!ラスティル!!!本性を出すのだ!!!」

突如轟音と共に、ラスティルの体が悲鳴を上げる。
そして全身から飛び出す物・物・物。
武器・武器・武器。
銃口・銃口・銃口。

「これがラスティルの真の姿!!全身武装!まさに人間凶器!
 いや、人間核兵器!!最終兵器彼女ラスティルだ!!!」

「ロボットかよ!!」

「違う、エヴァは人造人間だ」

「・・・・・・・・」

「逃げちゃ駄目だ・・・・」

「・・・・・・・・・・・あんた馬鹿ぁ?」














〜ドジャーの死〜



「カカカッ!何泣いてんだお前!!」

ドジャーはジャスティンの背中をバンッと叩く。
叩いた
叩いた・・・・・・はずだ。

「あれ・・・・」

叩けなかった。
手が・・・・すりぬけた。

「へ?は?」

自分の体をよく見る。
なにか・・・・薄いような・・・・

「へ?」

ミダンダスの方を見る。
その足元。
見たことがある。
見覚えがある。

「・・・・・は?俺?」

血だらけで崩れ去っている自分の体。

「ドジャーさん・・・・・・」
「・・・・・・・死ねばいいとは言ったが・・・・くそ・・・・・・」
「馬鹿野郎・・・だからお前は自分勝手なんだ・・・・・」

アレックス。
レイズ。
ジャスティン。
先ほどから誰一人、ドジャーの方を見ていない。
いや、"こちらのドジャー"の方を見ていない。

ドジャーはあらため自分の体を見る。
そして力の入らないこの体の拳を握りしめ、
静かに開いた。

「これが・・・・俺の新しい能力・・・・・」

「「「 違う!!!! 」」」

「え!?違うの!?」

「違う」
「違います・・・・」

「じゃぁ何!?」

「死んだ」
「・・・・・死んでる・・・・」
「死んでます」

「え・・・・・・・・・・」

「・・・・・・」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」

「え?ドッキリ?」

「「「 違うっつってんだろ!!!!! 」」」














〜絶対的存在〜


「誰かが望んだ?そんな事は一言も言っておりません。
 私を含め・・・・・・世界の人間、いや生物・・・石ころさえもそんな権利はございません。
 世界は"たった一つ"の意思で自由に動いておられます」

突然、
アレックス達を取り巻くホンアモリが消えた。
解放された。
突然の事だった。
意味は分からなかった。
が、ピルゲンはヒゲを整えながら笑い、
その意味を口にした。

「その眼でとくと拝みなさい。"絶対の存在"を・・・・・・」

言うと同時に、
ピルゲンは・・・・・・ヒザをついた。
地面に片膝をついた。
頭を下げる。



「・・・・・・・」

「・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

「「・・・・・・・」」


「でぃ、ディアモンド様〜・・・出番ですよ〜・・・・」

「な、何!?もう我の出番!待て・・・まだ準備が・・・・
 えと・・・最初は右足から・・・ゆっくり威厳を出すように・・・・あっ・・・」

ガタガタガタガタタ・・・・バタン

「あいたたた・・・・・あっ・・・・・・・・ゴホン!あーあー・・・・・・・・・
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ご苦労だった。ロウ、ピルゲン」

「「・・・・・・・」」
「・・・・こいつ蹴っていい?」
「やれ。クリボー並に踏み潰せ」











******注意******

この短編は、
実際のSOADと全く関係ありません。

本編と世界はリンクしていませんし、
実際のキャラとは無関係です。


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