ディアンも病院に運ばれた。
だがイスカに斬られたヤンキとは違い、命に別状はないようだ。
まぁあれだけタフなナイトマスターである。
大怪我とはいえ死にはしないだろうという印象はあった。

道場の真ん中。
腰に二本の剣を携えたままのツィンと、
ダガーをクルクルと回し、まるで集中力のないドジャー

「相変わらず・・・だな盗賊さん」
「カッ!お前と違って現状満足なんでね。特に変わりたいとも思ってないもんでな」
「俺は修行を積んだ。・・・・と言っても以前は本来の強さも見せる事ができなかったけどな
 "強くなりたい"とは思ってきたが、"倒してやりたい"と思って修行したのは始めてだった
 昨日リヨンからWISが来た時は"きた"・・・・と思って震えたよ。リベンジができるとね」
「俺は"メンドイ"としか思わなかったけどな。そして今もそう思ってる
 こっちが3勝でそっちの大将も倒した。やる意味あんのか?」
「そうですね。こっちには理由は腐るほどあります。
 "ひとつ"・・・・・・は師範があんた等が持ってるシンボルオブジェクトを欲しがってるという事
 それを手に入れる事で師範が喜び、道場を再建できるなら手に入れない手は無い。
 "ふたつ"・・・・・・・リヨン、ヤンキ、そして師範の仇を討たずにはいられない。
 俺達は師範のスカウトで入った口だが・・・・・これでも道場への愛着は人一倍でしてね」

「ツィンせんぱぁぁぁああい!ありがとうございますううう!自分はぁぁあ!
 自分はその言葉にぃいい!ひどく!ひどく感動いたしましたぁああああああ!」

「"みっつ"・・・・・・・・・誰が総当り戦と決めました?俺が全勝すれば問題ないです
 そして今の俺ならそれをできる自信もある。それだけの事はしてきた。
 "よっつ"・・・・・・・・この道場を汚した者を黙って帰すわけにはいかない
 ・・・・一人は帰ったようだが・・・道場には面子ってものがある。
 あんた達にはたいしたものじゃないかもしれないが、道場でも酷くこれを重んじる。
 いつつ・・・・・」
「あぁ分かった分かった!もういい!」
「いつつ・・・・・」
「・・・・」
「俺があんたを倒さなきゃ気が済まない。今も軽い武者震いが止まらない。
 やっと・・・・やっとあんたにリベンジができるという心地よい興奮の振るえだ」
「カッ、最初からそこだろ?いいぜかかってこいよ」
「ごちそう・・・楽しみにしてますよ」
「今日は"新メニュー"もあるぜ?」
「そりゃ楽しみですね」

「はじめぇえええええ!」

リヨンが大きく手を挙げた。

と同時にツィンが2本の剣を両手に抜く。
そして左右に広げた。
大きな大の字を形成するように・・・・
それはまるで花が咲いたような美しい構えだった。

「さぁて行きますよ盗賊さん」
「ヤダ・・・・っつっても来るんだろ?来るものは拒まず・・・・と言いたい所だが俺ぁ逆だ
 血と命をもってお引取り願うとするぜ・・・・・・・・コレでオメェの命をな」

ドジャーは二本のダガーを取り出し
そして両手に逆手で構える。
ツィンが剣を広げたまま

すぐさま間合いを詰めてきた。

「二花剣・・・・"コスモス"」

ツィンの二本の剣。
その両方が曲線を描きながらドジャーを襲う。
まるで二本の剣が別々の生き物のようにドジャーに向かい、
一振りされてはまた別の曲線を描く。
ドジャーはそれを避けて弾いて避けて弾いて・・・・
金属音と空振りの音だけが淡々と響く。
ツィンはまるで二つのコンパスで線を引くように剣を振り続けた。

「ドジャーの野郎防戦一方じゃねぇか!ダッセェなぁおい」
「まぁそれもあのコスモスという技の前じゃしょうがないんじゃないでしょう」
「どういうこった?」
「あの技。ルナスラッシュです」
「ルナスラッシュくらい戦士にゃそう対した技じゃねぇだろがよ」
「あの技の習得が初〜中盤なのは連携に適しているからです。
 ルナスラッシュは月型・・・つまり曲線を描く斬像です。
 曲線形の攻撃は次に繋げやすい。剣を止めること無く連続技を叩き込む込むことが出来ます
 だからクイックポーションでドンドン繋ぐ人もいますね」
「それでもドジャーのスピードならルナくらい対応できるだろ」
「大事なのは"剣が二本"という所でしょうか。一本の剣では生まれる隙も二本なら消せます
 その上さらにルナスラッシュとなるともうどれだけでも連携が繋がるでしょうね」
「小難しい事考えて戦闘するもんだな!疲れるぜ!」
「ヤンキさんも言ってましたが隙を消して隙を作るのはこの道場の教訓の一つなのかもしれません
 でもまぁあの技・・・月(ルナ)が無限に繋がる姿はまるで二つの小宇宙(コスモ)ですね」
「ガハハ!おっめぇも詩人家だな!三職極める気か?」
「あはは、それはどうでしょうね」

未だ続くツィンの攻撃の斬道。
しかしドジャーも攻撃のタイミングが無いだけで
押されているという感じではなかった。
避けれるものは避け、受けれるものは受ける。
現にドジャーは未だ汗ひとつかいていない。

「どうしたどうした?俺に見せたい実力ってのはその程度か」
「この程度ですよ」
「お?」

と言うのと同時にドジャーの腕に切れ目が入る。
と同時に肩にももう一本の剣による続けざまの連撃が入れられた。
ドジャーは已む無く後ろへバックステップで下がる。
動かないほどではないが、腕と肩に小さくない傷がつきられ、血が垂れた。

「チッ、いきなりリズム変えやがって
 一定のリズムで攻撃してきたのはいきなり変則的な攻撃を入れるための布石か」
「あなたには普通にやっても苦労しそうなんでね。少し工夫を・・・」

突然ツィンの肩にも切れ目が入れられる。
ツィンがしゃべってる途中でドジャーがダガーを投げたのだった。

「俺流の変則攻撃だ。うまかったか?・・・・ごちそうはよぉ」
「不意打ち・抜き打ちは得意技でしたね」

だが以前と違うのはツィンが不意打ちに反応した事だった。
今のダガーも咄嗟でカスる程度に避けた。
集中力は切らさなかったのだろう。

ドジャーは右手に4本、左手に4本のダガーを取り出した。
一方ツィンは体勢を低くし、
右手の剣を左に、左手の剣を右に
まるで自分を抱えるように交差して構えた。

「ごちそうをくれてやる!」
「二花剣・・・・・ハルジオン!」

ドジャーの8本のダガーが飛ぶ。
ツィンはドジャーに向かって踏み込んだ、
体勢を低くしたまま踏み込み、小距離を走りながら剣を半分で振り止める。
二本の剣はXの字を形成してツィンの前で剣による防御を作った。
ボクサーでいうところのクロスガードだ。
そしてドジャーのダガーの半分はくぐり、
半分は剣が防御した。
そしてドジャーに向かって二本の剣が振り切った。

「クソ!」

血が飛ぶ。
少なくない。
ドジャーはダガーを投げ切っていたためガードが出来ず、
バックステップをしたとはいえ胸にX字の傷をつけられた。
ダラダラと血はいう事を聞かずに垂れる。

「二本で居合い斬りか・・・・」
「俺のごちそうもなかなかでしょう」
「カッ!調子こくんじゃねぇぞ」

「ハルジオン・・・・と言ってましたが・・・・綺麗な技です。理と利にかなっています・・・・
 二刀流での"居合い斬り"。カージナルさんにも見せてもらった事があるんですが
 居合い斬りによる振り切りの"途中止め"。あれをガードに使ったようです
 距離を縮めながらの攻防一体の技・・・・恐ろしく完成度が高いです」
「ドジャーの野郎なんだかんだで全然押されてんじゃねぇか
 あの傷はかなり重症だぜ?血が出すぎだ。パンピーなら倒れててもしょうがない」
「ですね。僕もメッツさんもイスカさんもなんだかんだでノーダメージで戦闘を終えました
 もしかしたら・・・・・ツィンさんは"騎四剣"で一番強いんじゃないですか?」

「勘違いするな。負けてしまったようだが師範が一番強い!」
「"騎四剣"とかいって対等に並べてるくせにか?」
「そこが勘違いするなと言っているんです。
 騎四剣とは門下生の俺、リヨン、ヤンキの三人の事を指します
 騎四剣は道場の活性化の看板作りのためにスカウトされた三人の事なんだ」
「ぁ?三人でなんで四なんだよ」
「計算もできなくなりましたか盗賊さん・・・・・・・・・俺の剣は"二本"です」
「カッ!まぁそんな事はどうでもいいんだよ。結局お前より強い師範は負けてんだぞ」
「つまり俺が勝てば面目は立つんですよ」
「言い訳が下手な野郎だ。算数より国語を勉強しやがれ」

そう言いつつドジャーが手に何か取り出す。
それは・・・・・サイコロ

「またあの時の不意打ちをするつもりですか?二度は効きません」
「おっと。またただのサイコロだと思うなよ?
 ギャンブルバッシュって知ってるか?サイコロの出目によって何かが起こるってやつだ」
「ふ、でまかせを。それも口先だけなんだろう盗賊さん」
「おっと。さっき新メニューがあるって言ったの言わなかったか?」
「相手を動揺させて隙を作ろうってのはバレバレですよ」
「お前がそう言うならそうかもな」

そういいながらドジャーはニッと笑い
サイコロを放り投げた。
宙を舞うサイコロ。
一見ただのサイコロのように見える。
ただ物言わぬサイコロは不気味に宙に舞った。

「ハルジオン(二刀流居合い斬り)!」

だがツィンはサイコロなんかには目にもくれず
ドジャーに突っ込んだ。
先程と同様の居合い斬りによるX字斬り
ドジャーは両手にダガーを取り出したところだった。
投げようと取り出したダガーだったが
已む無くガードにまわす
ツィンのソードとドジャーのダガーがぶつかり、
金切り音が道場の中で奏でられた。
二本の剣を二本のダガーが押し合いになる。

サイコロはただ地面に落ちただけだった。

「チッ、少しは気にしろよ」
「前までの俺だったらあれだけのあなたのでまかせで
 裏を読み、その裏も・・・・その裏の裏の裏の・・・・・・・・と動揺していたでしょう
 だが、今の俺は違う。あれがどんなサイコロだろうとあんたを斬る。それだけだ」

ドジャーがダガーを引き、
そしてまた距離を離した。
離した距離の分だけ畳に血の道ができた。

「じゃぁ俺も俺らしくいくか」

ドジャーがまた4本づつのダガーを取り出す。

「ごちそうをくれてやらぁ!」

右手の4本のダガーを投げつける。
昔アレックスはそれを避けきれる分だけは避け、
避けきれない分は剣で払った。
しかし二刀流のツィンは二本の剣を巧に使い、
すべて叩き落す。

「おかわりだ!」

左手の4本も投げる。
だが結果は同じだった。
ツィンは二本の剣で払い落とす。

ドジャーは左手が投げ終わったらまた右。
次は左、また右とどんどんダガーを投げつける。
だが全て同じ。
どれもツィンには通用しなかった。
それでもドジャーは投げ続ける

「変ですね」
「あぁん?」
「ドジャーさんの投芸です」
「ガハハ!あの攻撃自体変だっての!」
「いぇ、それじゃなくて・・・・・ダガーの本数に変化が・・・・」
「ん?あぁ、そういえばよく見ると2本とか3本しか投げない時もあるな
 でもあれじゃねぇか?限りがあるから減らしたりしてんじゃねぇか?」
「そうでしょうか・・・・」

変則的に投げ続けるドジャー。
一本しか投げない時さえある。

「どれだけ投げても同じだ盗賊さん!」
「どうした疲れたか?」
「無駄な事をやっても愚かなだけだって言ってるんですよ」
「ちと前に思いついた事を試したくてな」
「ふ、このダガーの本数の変化・・・・2本と思ったら次は1本。はたまたその次は4本
 そうやってリズムを狂わそうとしてるんでしょうが・・・・・無駄だ
 俺は自分のやるべき事をやる。以前そう決めた。
 飛んできたものをただ無心に弾いていくだけだ。あんたの思惑通りはいかない」
「そうかな・・・・そろそろいくぜ?」
「ふ、何も変わらな・・・・・」

ツィンの言葉が止まる。
一瞬ツィンは気付かなかった。
いや、はたから見ていたアレックスもメッツもリヨンも。
痛みのあるツィンが気付かなかったら誰も気付かなかっただろう。
ツィンの横腹に一本のダガーが刺さっていた。

「な・・・」
「ほれほれ!まだまだおかわりいくぜ!」

ドジャーが今度は2本のダガーを投げる。
ツィンは刺さったダガーも抜かず、
その投げられたダガーを払い落とした。
2本とも。
が・・・

「馬鹿な・・・・」

今度はツィンの肩に一本ダガーが刺さっていた。

「なんで・・・・」

疑問に答える事なくドジャーはどんどんダガーを投げる。
1本。3本。2本。投げる本数は変則的だが
ツィンは全てのダガーを弾き、避けていた。
間違いなかった。
アレックス達から見てもそうだった。
が、
気付くとツィンの体にはダガーが刺さっているのだった。
横腹・肩・腕・腿・そしてもう一本横腹
ツィンの体には計5本のダガーが刺さっていた。
特に腹の二本のダメージは大きく
血が垂れ流れる。
それを見てドジャーは投げるのをやめた。

「どうだごちそうは・・・・"隠し味"だ・・・・うまかったろ?」
「なにがどうなって・・・・・・・・」
「こないだ病院でリコスってガキにあった。
 そん時むかつくがある奴を思い出した。・・・・・・・・フィリーってガキだ」
「・・・・・天才少年『ハイド&シーク』か・・・・」
「あのガキは言ってた"インビジは身に着けているものも消える"」

そう言うと同時に
ドジャーの手に持っていたダガーの一つがフッと消えた。

「インビジ・・・・いやカモフラージュかな。種が分かれば単純だろ?
 途中で投げる本数をまばらにしたのはインビジダガーに違和感も待たせ難くするための布石だ」
「見切れなかったんではなく・・・見えなかったという事か」
「そ、どんな時でも切り札はいつも"隠しとく"もんだぜ。OK?」
「ふ・・・・・・切り札か・・・・・それなら俺も・・・・」

ツィンは満身創痍の両手を広げた。
剣も広がる。

「師範は・・・・・闘志をものにしていた。
 ライトニングスピアの雷をそのまま槍に滞在させる事に成功していた・・・・
 俺も・・・・・・やっと修行でその域まで達した」

突然ツィンの二つの剣が・・・・
赤く燃えた。
二つの剣に炎がまとわりつき、華々しく燃え盛る。
火花・・・という言葉があるが。まさしくそれであった。
燃える炎から花びらが散るがごとく火花が飛ぶ。
烈火・・・・いや烈花であった。
二つの炎の剣を両手に広げるその姿。
まさしく『両手に花』だった。

「二花剣・・・・サザンカ。・・・・・・・フレイムスラッシュだ」

ツィンは剣を振り上げ、
そしてドジャーに斬りかかる。
しかし5本のダガーを体に受けたツィンのダメージは重く
その振りは全力とは到底呼べるものではなかった。
弱弱しいその攻撃をドジャーは簡単に避け、
背後に回り込み
後ろからツィンの首元にダガーを突きつけた

「チェックメイトだ」
「・・・・・・また。俺の負けか・・・・・」
「そりゃそうだろ。俺が負けるなんて考えられねぇじゃねぇか」
「さらに鍛錬を積んで・・・・・・と言いたい所ですが・・・・トドメを刺せ。負けて命乞いはしない」
「トドメか・・・・普通の奴なら「いや、生きて俺を倒しにこい」とか言うだろうが
 俺はそうも甘くないぜ。・・・・・・・・・・・じゃぁなツィン」

ドジャーはダガーに力を込めた
・・・・・
と思ったのだが
突然ドジャーはバタンと畳に倒れた。

「あっれ・・・・・・・」
「当然ですよ」

ドジャーの前にはアレックスが立っていた。

「血が出すぎなんですよ。自分で気付かなかったんですか?」

そう言ってアレックスはドジャーの傷にヒールをあて始めた。

「ドジャーさん。残念ながら先に倒れたドジャーさんの負けですね」
「なっ!ちょっ待て!どう考えても俺の勝ちだろ!」
「そうか・・・・勝ったか俺は・・・・」
「アホかツィン!俺の勝ちだろ!」
「何言ってんだ。盗賊さんが前言ったんですよ
 "最後に立ってるかどうか"・・・・・ってね。なぁリヨンも俺の勝ちだと思うだろ?」
「そうですううう!ツィン先輩はぁああ!先輩は負けてませんんんん!」
「だぁクソ!」
「俺は勝負に負けて試合に勝ったってとこですか」
「うるせぇうるせぇ!俺は負けてねぇ!」

体も動かないくせに大意地を張るドジャー
ドジャーとツィンは試合が終わっても口ゲンカを辞めず、
リヨンとアレックスがそこにさらに加勢している状況となった。
メッツはアクビをしながら道場の壁にもたれていた。

「ひひ」

!?

全員が同時に振り向いた。
いや、それより早くメッツは飛び掛っていた。
穴の開いた道場の壁に"誰か"いたのだ。
その男はバレた所で「チッ」と言って逃げだした。
メッツは瞬間的にその男の服を掴んだが
その男は咄嗟に服を脱ぎ捨てて逃げていってしまった。

「誰でしたか?」
「わからねぇ。顔も見えなかったぜ」
「でもメッツさん・・・・その服・・・・」
「あん?」

メッツが掴んだ服。
それには見覚えがあった。
それは・・・・ミルレス白十字病院の白衣だった。

「クセェな。昨日白十字病院でひと問題あったばっかだしな」
「昨日までメッツさんもディアンさんも入院してたわけですし、
 何かそれらと関係ある面倒事かもしれませんね」
「ま、念のためレイズに連絡しとくか」
「早いうちがいいですね」
「なんかあるかもしれねぇしな。今連絡しとくか」

ドジャーは手の空いてるメッツに連絡をさせた。
メッツはあまり使わないWISオーブを手にしてレイズにWISをかけた
なかなか出ない。
といってもレイズがすぐ出ないのは医者業務のせいで
いつもの事だった。

「臭いって言えばここもなんか臭いですね」

アレックスの言葉にメッツはWISをしながらふとそちらに目を向けた。
そしてメッツの目が見開いた。

「・・・・って!ちょ!おぁ!おいおい!!!!」

メッツが慌てて指を刺した。
そして全員がそこで目を見開いた。

ツィンの剣の炎が道場の畳に引火していた。

「のぁ!火事じゃねぇか!」
「道場がぁああああ!自分のぉお!自分達の道場がぁああああ!」
「消せ!アレックス!ファイアダウンやれ!」
「ちょっと!僕もう5人分の治療で魔力が・・・・」
「おい燃え移る前にそっちの畳をはがせリヨン!」
「それより先に火消せ火!」
「お、お前師範の肖像画で消そうとするなぁ!」

全員が大慌てのその現場
やっとレイズにWISが繋がる

[・・・・・・・仕事中はかけてくるなって・・・・・・いつも言ってるだろ・・・・・
 ・・・・・・やけに今日は急患よこすし・・・・・・・まったく死ねばいいのに・・・・・・・]
「レイズ!やっべぇ!火事だ!救急車!」
[・・・・・・・・ここは病院だ・・・・・・・・・死ねばいいのに・・・・・・]
「だぁくそ!」

メッツはWISオーブを放り投げてバケツを取りにいった。

燃え広がっていく畳。
夕焼けに燃える道場の中
走り回る5人。

真っ赤に真っ赤に燃える畳と木造りの道場



翌日のマイソシア新聞の一面は
"騎士の心道場 まさかの焼き討ち"
で間違いないだろう。


まぁそんなこんなで

そんな慌しくも忙しい一日の戦いが終わった









だが

このたった2つのギルドと道場の試合。
本人達は私念入り混じっただけと思っているたった8人の小さな試合が

世界を動かすピストルの合図になった事には


まだ気付いていなかった。








                 






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