「カプリコ三騎士だと?」
「あの伝説の?」
「"三つの伝説が同時に生まれてしまった"と言われているあの三騎士かなのか?」
「奴らが戦場に出てくるなんて聞いてないぞ!」

ケビンと一緒にいたノカン軍が動揺して騒ぐ
当然だ
あのカプリコ三騎士だ
カプリコ界の伝説アジェトロ・エイアグ・フサム。
戦闘力は別格・・・・いや、規格外。
それも当然
名は知れ、噂は流れるばかり
特にその強さが有名になったのは半世紀前
ノカン黄金期と呼ばれた最強の軍時代。
ノカン軍2000が夜襲によってカプリコ砦を襲った
しかし、たった3人の力でそのノカン軍を敗走させたという伝説。

「ケビン将軍・・・・」
「ク・・・三騎士は今までずっとカプリコ砦から出ることは無かったというのに・・・・」
「しかし極まれにスオミの森などで見かけたという噂は聞いていましたけど」
「それも戦とは関係ない・・・・散歩、狩り、用事、奴らだっていつも砦にいるわけではないだろう
 だが奴らは戦争中は最後の砦としていつも戦場に出てくる事は無かった」
「でも出てきました・・・・」
「向こうも最後の戦いとして本気という事か・・・」

ケビンはWISオーブを取り出す。
そして通信の先はジェイピスだった。

[なんだよケビン。せっかちだな。狙撃ポイントの事だったらもうちょっとまってくれ
 丘(クリーク)はもうすぐそこだが道が険しい。あと数分だけ・・・・]
[いや、ジェイピス。聞いてくれ]
[あん?]
[ブンスターがやられた]
[はぁ!?]

ジェイピスは驚きの声をあげた
それはWISごしに横にいるケントにも聞こえるぐらいだった。
当然である
ケビン・ケント・ジェイピスは幼い頃からブンスターの事を知っている
暴れん坊のブンスターは負け知らず
それは今も同じ
どんな時でもブンスターには敵なしとも思っていた。

[今日はエイプリルフールだったっけか?]
[いや、マジだ]
[・・・・・チッ。信じらんねぇな。亡骸は確認したのかケビン]
[まだだが信じられるさジェイピス。相手はあのカプリコ三騎士だ]
[うへぇ・・・やんなるね。それでもっと急げってことか]
[あぁ、遠距離からのお前狙撃ならカプリコ三騎士だろうと・・・・]
[任せろって。三騎士に向かって3/3ヒットで俺は伝説を倒した伝説になるぜ]
[3/3か・・・・カプリコ三騎士だろうと一発で倒す。いい自信だな]
[あたりめぇだ。三騎士だろうと頭はある。
三騎士だからって頭に針が通らない石頭ってこたねぇだろ]
[そりゃそうだ]
[じゃぁそうと決まれば俺は急ぐぜ]
[あぁ、ブンスターの仇をとってくれ]
[そりゃ無理だなケビン]
[あ?さっきの自信はどこいったんだジェイピス]
[三騎士はしとめるさ。だがブンスターの仇じゃねぇ。
 理由は任務だからってこった。戦場では血縁、人情は捨てるお前の口癖じゃねぇか
 将軍と呼べ・・・・とか言っておいてよぉ。]
[・・・そうだったな]
[悲しむのは後にするよ。じゃぁな。任務なら俺に任せとけよ!]

そこでWISは切れた。
ケビンは何も不安は無かった。
ジェイピスはブンスターほど豪快な頼もしさはないが、
任務は必ず遂行してくれる。そんな頼もしさがある。

「将軍。WIS中に各隊から連絡がきました」
「言えケント」
「カプリコ軍は先ほどの作戦成功もあり半壊しています。
 しかし三騎士の力があり今では向こうに勢いがあります
 状況としてはこちらも半壊。今では乱戦状態で今後どうなるかわかりません」
「三騎士の位置は?」
「三騎士はブンスター隊を突破後まっすぐこっちに向かっているそうです
 おそらくすぐそこまで来ていると・・・・」
「そうか」
「どうしましょう・・・」
「・・・・・・ケント。"あの作戦"の方はいまだ順調なんだな」
「え?あ、はい。もう連絡はとれませんがラーク隊長の事です。間違いなく順調でしょう」
「そうだよな。・・・・なら。このままでいく」
「三騎士とぶつかる気ですか!?」
「あぁ・・・・ある意味三騎士が出てきた事は作戦に有利に働くかもしれない」
「でも!!将軍まで危険に!?」
「俺の命自体は大事じゃない。今回たまたま将軍に任命されただけだ
 別に俺がノカンで一番偉いわけじゃない。兵のひとりに過ぎないんだ
 大事なのはノカンの勝利。そしてノカン村の平和。ここで退いたら奴らノカン村まで一直線だ」
「・・・・・・」
「俺も生きて帰りたいがノカンのために命を捨てる覚悟はある」
「兄ちゃん・・・・」
「将軍だケント」
「・・・・ケビン将軍。最後までお供します。将軍補佐として、僕は将軍を守ります」
「・・・・一人前になったなケント。だがお前は死ぬなよ」
「僕も死ぬ覚悟はあります」
「お前は死ぬなケント。これは将軍命令だ」
「でも・・・」
「命令だ」
「・・・・・・・」
「その代わり、最後まで俺を守れよ?
 俺を守っているお前が死ななければ・・・俺も生きてる。そうだろ?」
「!?・・・はい!!」

ケビンはニヤりと笑った。

「参る!」
「応!」
「承知・・・・」

三つの声
騒がしい戦場の中
まるでそこだけ静まったようにはっきりと聞こえた。
ケビンそのうちのひとつが迫っている事に気づいた

大きな金属音が鳴り響く

それは一本のカプリコソードとブルトガングが交わった音だった。

「ほぉ・・・・・ノカンの中にも剣を使うものがいるとは」
「・・・・・あんたが三騎士か」
「応、自分はアジェトロ。後ろの二人がフサムとエイアグだ」

アジェトロはニヤりと笑い、
顔をフサムとエイアグの方へ向けた。
ケビンと剣を合わせている状態というのに余所見したのだ
それぐらい・・・・・ケビンを倒す事などわけないという事か。

「自己紹介ありがとさん・・・・俺はノカン軍将軍のケビンだ」

「将軍?応、それはいい。お前を倒せば一気に戦況が変わるな」

「ヘッ、俺なんてもうノカンのひとりに過ぎない。
 作戦はすでに全部進行中なんだ。もう俺の手を離れている。
 例えばだな・・・・・あそこの丘(クリーク)を取れればこっちに大きく戦況が傾く」

「あそこはうちのプラコのマイセが占拠している」

「今はな。うちには"取るといったら取る"そんな頼りになる奴がいるんでよ
 頼りになる仲間ほど頼りになるものはないぜ」

な、ジェイピス












                 






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