ケビンのいる1000の隊を残し、
6000のノカンが一斉にカプリコへ襲い掛かる
中央、左、右から一斉にだ。
自分で考えた作戦であるのに
ケビンは相手の気持ちを考え、少し同情した

「ケビン将軍」

ケントが後から声をかけてきた

「ん?ケント。どこのアホだそいつは」

ケントは一匹のカプリコを連れていた
ノカンヨーヨーの紐で縛り上げられている。
ケントは昔からヨーヨーが得意だったが、
戦闘に役立つほどになるとは昔は思ってもみなかった。

「先ほどそこらで捕獲しました」
「そこら?カプリコ軍と別行動していたカプリコか?」
「そうです」
「偵察か何かか」
「いいえ、WISも何も持っていませんでした
 恐らく一人で手柄をとろうと抜け駆けしていたのでしょう」

ケントは自分の両手から伸びるヨーヨーの紐を思いっきりひっぱった
するとそのカプリコはグルグルと回りながらケビンの前に転がった。

「く、くそ・・・しくじった・・・・」

「おい、カプリコ。お前身なりからしてナイトカプリだな
 何かカプリコ軍の情報を言うようなら命を見逃してやってもいいぞ」

「ケッ!誰が言うか!どっちにしろ殺すつもりのくせによ!」

「そうか、ケント。やっていいぞ」
「はい」

ケントが両手のヨーヨーを構える。

「ク・・・・、お前ら俺らを罠にかけたつもりだろうがいい気になるなよ
 どうやったってお前らは俺らに勝てない・・・・なんたって・・・・ケケ・・・・」

ケントはそのカプリコの笑い方が気に入らなかったのか
すぐさまヨーヨーを投げた。
そしてそのカプリコの頭にぶちあたる。
ゴツンとにぶい音が鳴り、
そのカプリコの命はついえた。

ケビンは自分の剣、ブルトガングをその死んだカプリコの横に突き刺す。

「カプリコ風情が・・・・」
「ケビン将軍」
「なんだケント」
「状況報告です。2000づつに分けてカプリコを囲んだ作戦は順調です!
 いや、最好調です!一方的にこちらが押しています」
「だろうな」
「ここまで一方的になるとは思いませんでした」
「そりゃそうだ。数でこちらが勝っているんだからな
 普通に戦ったらどうなるか分かるか?ケント」
「え?どっちにしろやっぱり数では勝っていると・・・・」
「違う。全体の数じゃない。戦っている数だ
 普通に4000対7000でぶつかりあったとする。
 だがそれは厳密には4000対7000じゃない」
「というと?」
「結局戦うのは先頭の2000同士ほどが戦うだけだろ?
 実質2000対2000。それじゃぁ個々の戦闘力が高いカプリコが有利だ
 だが中央・左・右に2000・2000・2000の部隊で囲んだらどうなる
 常時6000人のカプリコが戦えるんだ
 4000対6000で戦える。囲んだ上に、不意もついた」
「さらに念のため僕達と共に1000が待機。イコール負ける要素はない・・・って事ですね」
「そういうこった」

ニヤりとケビンは笑う。
さすが!とはやしたてる弟ケントを尻目に
ケビンは先ほどケントが殺したカプリコを見た。
そしてその横に突き刺したブルトガングを抜いた。

「"俺達が負ける"だと?この状況でどう負けるって言うんだカプリコめ
 長きに渡るノカンとカプリコの因縁。今日で終わりだ。ノカンの勝利という形でな」

ケビンはニヤりと笑う。
そしてWISをブンスターへ繋げた。
作戦とは関係ない
作戦の成功が嬉しいがための個人的なWIS。
ブンスターに状況を聞こうとしたのだった。
今はいい報告しかくるはずがない。
それで少し優越感に浸ろうと思ったのだ。
だが・・・・

「どうしましたケビン将軍」
「ん?いや、ブンスターのやつがWISに出ないんだ」
「戦闘中に邪魔するなって感じじゃないですか?」
「ふ、そうだったな。昔から夢中になると他に気がきかなくなるときがあるからな」

ケビンがブンスターへの通信をやめた。
その時だった
逆にブンスターからWISが飛んできた
ケビンはすぐにWISをとり、言葉を発した

[悪いブンスター。お楽しみに所邪魔したな
 特に大した用事じゃないんだ。そのまま暴れててくれていい]
[いえ、将軍。・・・・私はブンスター隊長じゃありません・・・・ブンスター隊副隊長のラキストです]
[ん?アンクルノカンのラキストか。なんでブンスターのWISオーブも使ってるんだ?]

ラキストの声は聞き取りにくかった。
戦闘中だからか息遣いが荒いせいである。
いや、戦闘中というよりは走っているような・・・・
そんな感じだった・・・

[・・・て・・・・・手短に報告させて頂きます・・・・・]
[なんだ?]
[敗走です・・・・ブンスター隊・・・敗走・・・・
 隊はほぼ壊滅・・・・・・ブンスター隊長は・・・・・・・・・・・戦死されました・・・・・]
[な!!??]

ケビンは響き渡るような大きな声を出してしまった。
その声に周りのノカン兵達が動揺する
ラキストの報告は続く。
相変わらず走っているようで声は聞き取りにくかった

[報告の続きです・・・ブンスター隊だけでなく・・・他の隊も次々とやられています・・・・]
[何故だ!?作戦はうまくいっていたはずだ!それに状況がひっくり返るのが早すぎる!]
[・・・・逃げてください将軍・・・・・無理だ・・・・体勢を整え直すべきです・・・・]
[何が起こっているんだラキスト!]
[勝てない・・・・ブンスター隊長があんなに簡単に・・・・・]
[劣勢の理由を言えラキスト!!]
[・・・・もうだめだ・・・・・・どんどん殺られる・・・・・
 ・・・・・・・あんなに仲間がいたのに・・・・・・もう・・・・・・自分も追いつかれる・・・・]
[何にだ!?何に追いつかれるてんだ!?カプリコ軍か?!]
[・・・・あれは・・・・悪魔だった・・・・もう・・・・・あぁ!?]

WISの先でラキストが大声をあげる

[どうした!?ラキスト!?返事しろ!]
[うわぁああ!?!!!き、きた!!!奴らが!!あの悪魔!・・・・・・gKあpりkOsaNkci]

WISの向こうで大きな悲鳴が木霊する。
それを最後に、オーブの通信は途切れた。

「くそぉ!」

ケビンは手にもつオーブを地面に叩きつけた

「ケビン将軍・・・何が起こってるんです・・・・」

ケントが心配そうにケビンに問いかける。
すぐには返事はしなかった
ケビンはくちびるを噛み締め血を流し、
自分の拳を痛いほど強く握り締めていた。

「・・・・・・聞き取りにくかったが・・・・ラキストの最後の叫び声で分かった」
「なんて・・・・・」
「・・・・・・」

ケビンはゆっくりと口を開く
そしてケントが、いや、ノカン軍全てが聞きたくないような。
そんなたったひとつの単語を答えた。


「・・・・・・・・・・三騎士・・・・・・・・カプリコ三騎士が戦場にいる・・・・・・・・・」







                 






SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送