ケビンは森を歩いていた

・・・・というと一人で歩いているようだが
実は大分違う

なにせ数千のノカン軍本隊を率いているのだから

「ケビン将軍!」

ケントがケビンに叫んだ

「これから300m先にカプリコの大群がいる模様です!恐らく本隊でしょう」
「ノカン村5地域か。予想通りだな。・・・・・数は?」
「およそ4000」
「たしかに主力で間違いなさそうだな」
「はい。ずらずらと長い群れのような形でこちらへ向かっていたようです
 そしてそのカプリコ軍の先頭とブンスター隊長の部隊とがぶつかっているようです
 ブンスター隊長の隊は4000にたった500で応戦しています」
「ふむ」

全体と戦っているわけではないとはいえ、
たった500で持ちこたえているブンスターの部隊はさすがといったところだ

「止まれ!」

叫んでケビンは足を止めた
そして伝令を急がせ
本隊すべてを動きを止めさせた
およそ7000ほどのノカン軍を止めるまで2分
異例の速さだ

そしてケビンはWISオーブを片手に取り出した
通信の先はブンスターだ

[んだよケビン!こっちは戦闘中だってんだ!]
[悪いなブンスター。だがお前なら片手間でも大丈夫だろ]
[まぁな!聞けよケビン!もう俺だけで200は殺ったぜ!
 俺の隊だけでカプリコ700匹ってとこかな!チョロイぜ!]
[お楽しみのとこ悪いが・・・・ちょっくら引いてくれないか?]
[あん?このまま俺達だけでもイケるぜ?]
[いや、まぁ作戦なんだ]
[めんどくせぇなぁ・・・・嫌だっつったら?]
[それでも頼む]
[あいあい。野郎共!ひきあげ・・・・・]

ブンスターの声がフェードアウトしながらWISは切れた
ケビンは懐にWISオーブをしまい、
そして振り返ってノカン本隊を見た

「これから隊を4つに分ける!1000人は俺と共にここより少し後ろで待機!
 残りは中央、右、左に2000人づつ。それぞれからカプリコ本隊を叩くぞ!
 もうすぐブンスター隊が退走してくる
 それを追ってくる馬鹿なカプリコ軍を俺達は待ち構えるんだ!
 簡単に言えば中央、右、左で"コ"の字型のを作って待ち構える!捕獲カゴのようにな!
 ブンスター隊を追いかけてたカプリコ共は気づくと前左右俺達に囲まれてるって寸法だ!」

目の前の隊長達は「ハッ!」と敬礼をし、本隊の中へと散っていった
隊の4分割はすぐにできるだろう

「ケビン将軍・・・・」

ケントが恐る恐るケビンに近づく
そして申し訳なさそうにケビンに言った

「真正面からぶつかっていってもよかったんじゃ・・・
 ブンスターさんがやられるとは思わないし好戦していました
 その勢いのままこっち本隊をぶつければあわよくば一気に終わらせれたのでは?
 だって向こうは4000でこちらは7000オーバーの数がいるんですよ?」
「無理だな。あせりは禁物だ」
「何故ですか?流れを断ち切らずに一気に攻めてしまうのが有効だったと・・・・」
「数はたしかにノカンの方が多い。だが残念ながら質ではカプリコが上だ
 一匹一匹の戦闘力はかなりのものだし・・・・・爆弾を使うプラコもいる。
 そして一番やっかいなのは我らノカンにはない"魔法"を使う者がいるという事だ
 正直な話五分五分・・・いやカプリコの方が4000対7000でも力は上かもしれん」
「そんな・・・・」
「だが安心しろ。カプリコになくてノカンにあるもの・・・・それは統率力だ
 普段から群れをなすのと我らのように団体行動をするのではわけが違う!
 あんなバラバラに戦っているカプリコ共とは絆が違う事を見せてやるんだ」
「は、はい!」

ケビンとケントの会話が終わる頃には
7000の隊が2000・2000・2000・1000に分かれ終わっていた
そして配置につき始めている。
配置が終わるのも時間の問題だ

そんな時ブンスターからWISがくる

[退却終わったぜケビン]
[ご苦労だった。ありがとうブンスター]
["ご苦労だった"・・・・か。将軍様だねぇ
 それよりケビン。逃げるなんてこれっきりだぜ?たまんねぇよ]
[あぁ、もちろん最後だ。今日でカプリコとの決着をつけるんだからな]
[戦いが無くなると思うとそれはそれでさみしいもんだけどな]
[昔っからケンカばっかり求めてんだからなブンスターは
 気にしなくていいさ、戦争がなくなるだけ。その後は自由に遊びにいってくればいい
 マイソシアは広い。命令も作戦もない"ケンカ"をする場所なんていくらでもある]
[そぉ〜りゃ楽しみだな!・・・で、まだ戦争の方は終わってねぇ。次の作戦は?]
[ブンスターはそのまま中央の隊と合流してくれ
 俺が合図したら一気に畳み掛ける。好きなだけ暴れてくれ]
[おっしゃぁ!]

「準備が出来ましたケビン将軍!」

ケントが言う
ケビンはブンスターとのWISを切り、
総攻撃の機会を待った。
WISをグループ通信に切り替え、
中央、右、左の隊の部隊と繋げっぱなしにした。

地響きが聞こえる
カプリコの隊が作戦通りノカン軍の中へと突っ込んできたのだろう。

「ふ、すでにノカン軍に囲まれているとも知らないで・・・。
 飛んで火にいる馬鹿カプリコ・・・・・か」
「語呂が悪いですよケビン将軍」
「うるせぇよケント」

グループ連絡の一人から報告が入る
その瞬間。
ケビンになんとも言えぬ笑いが起こった
そのため口がニヤりと動いた。
この一声でカプリコとの決戦がつけられるかもしれない
そう思うと起こった笑いだった。

「やれ」





                 






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