「カプリコだーーー!!カプリコが見えたぞーーー!!」

一人の兵士が叫んだ
見えた
ルアスの森の木々の奥
そこから大量のカプリコが向かってきている。
相変わらず素早いやつらだ
ピョンピョンはねながらよくも走れるもんだ

[俺からも敵が見えたぜケビン]
[まだだ。まだ待てジェイピス]
[あいよ。合図忘れるなよ]

カプリコソードを背負ったカプリコ達が迫る
先発だというのに数百という数
向こうもこれが最終決戦だと考えている証拠だ

[ケビン。もぉ〜い〜かい?]

WISオーブからジェイピスの歌交じりの声が聞こえてくる

[まぁ〜だだよ]

ケビンは真剣な顔でオーブに向かってそう答える
ケビンの眼前にはカプリコ達が迫る
ブンスターの前線部隊もざわめきながら待ち構えていた
ケビンは地面に落ちている一枚のセイジリーフを見ていた

[もぉ〜い〜かい?]

ジェイピスがもう一度通信で聞いてくる
カプリコ達が迫る
カプリコ達は次々とカプリコソードを抜いた
そしてその距離は
前線のブンスター隊までの距離で・・・・およそ50
それでもケビンは
たった一枚の地面のセイジリーフを見ていた

[もぉ〜い〜かい?]

ジェイピスから催促が聞こえる

その時だった
ケビンが見つめていたセイジリーフの上をカプリコ達が通過した
セイジリーフはケビンは定めておいた目安だった。
ケビンはその瞬間目を大きく見開き
そしてニヤりと笑って返事をした

[もぉ〜い〜よ・・・とぉ]

その瞬間
カプリコ達へと大量の雨が降り注いだ
それは吹き矢
ルアスの森の木の上からの矢雨
ジェイピスが指揮するニュクの吹き矢部隊だった

[ストラァ〜イク!]

WISからジェイピスの叫び声が聞こえる
突然の奇襲にカプリコ達はなす術もなかった
ばったばったと倒れていくカプリコ達

「またせたなブンスター!」
「おう待ったぜ!!」
「思う存分暴れてこい!!」
「っしゃぁああーーー!!!いくぞお前ら!」

おぉー!という声と共に
ブンスター部隊がカプリコへと突っ込んでいった
屈強なノカンおじさんやアンクルノカンの群れ
速度はないが勢いは最強のその部隊が突っ込むと
ノカンとカプリコが簡単に入り乱れ
一気に乱戦へと戦況は変わった
だが一方的にブンスター達が押しているのは目に見て分かった
ジェイピスの奇襲があったからだ

「楽な仕事だったぜ」

ジェイピスが言った
奇襲が終わり、仲間と共に木から下りてきたのだ
奇襲部隊の仕事はここで終わりだった
この乱戦でこれ以上吹き矢を打つと
仲間に当たってしまうからだ

「仕事の続きだジェイピス!カプリコの数から戦場位置になるだろう大体の位置は掴めた!
 真西の崖(クリーク)をとれ!戦場一帯が見渡せる!そこから狙撃できるとかなり違う」
「あいよぉ」

ケビンは真西の崖を指差した
ジェイピスはその指を先を細めで眺めた
まるで狙撃ポイントを品定めするかのようにまじまじと

「敵のプラコもその位置を狙ってくるはずだ!遅れをとるなよジェイピス!」
「いや、ケビン」
「ん?」
「もう遅い。あの崖とられてやがる」

ケビンはそう言われて崖を見たが
あまりに遠すぎて物陰も見えなかった
だが目のいいジェイピスはまじまじと見続けながら話を続けた

「ありゃぁプラコのマイセだ。前の戦場で狙撃ポイントを争ったことがある
 ボムも高いところが有利だからな。チクショウあの爆弾魔め、先を見越してたか」
「関係ないジェイピス。俺が言っているのは"あの崖をお前がとれ"って事だけだ」
「いつも簡単に言うよなケビンは。ブンスター並だぜ」
「俺はブンスターと違って出来ないことは言わねぇよ。お前のその吹き矢は伊達じゃねぇだろ?」

ケビンはジェイピスの持つ吹き矢を見た
それはまるで槍ではないかという超ロングバレルの吹き矢
完全規格外の長さだった

「ふ、まかせろよ。こんな事だってできんだぜ?」

ジェイピスは吹き矢を口にくわえる
そしてブンスター部隊が戦っている戦場を狙った

プップッ・・・プッ!とジェイピスは息を吐く
そして吹き矢が飛ぶ
気づくとその吹き矢の二つはカプリコ二匹の頭蓋の真ん中に命中し
最後のひとつはブンスターのノカンクラブに刺さっていた

「ストラァ〜イク♪」
「コラァアアア!ジェイピィイイイス!俺のクラブに何しやがる!」
「挨拶だよ挨拶!」
「昔みたいにいじめんぞコラァ!」
「そりゃ御免だ。おっし。いくぞおめぇら」

ジェイピス一声でニュク達は返事をし
ジェイピス共々真西の崖を目指して走っていった

「ケビーーーン!」

乱戦の中からブンスターが叫ぶ

「なんだ」
「プレゼントだ!」

とブンスターが言った瞬間
ケビンの元にひとつの玉が飛んできた
ケビンはそれをキャッチする
その玉はベチョベチョ濡れていた
・・・・いやそれは玉ではなかった
一匹のカプリコの頭だった

「ここはそいつで最後だケビン!」

気づくとカプリコの大量の死体が転がっていた
ブンスターの部隊のノカン達は
それぞれの丸太やクラブといった武器を血で滴らせ、
おっしゃぁああ!と勝利の雄たけびをあげていた

「そうか早いなブンスター」
「進軍していいか!?」
「そうだな。向こうはこんな簡単に前線がやられると思っていなかっただろう」
「チャンスって事だな!!」
「あぁ!俺も本隊が準備出来次第すぐ後を追う!」
「じゃぁ先いってるぜ!」
「あぁ、それとブンスター」
「あん?」
「生きて帰ろうとは言ったが・・・・お前に死ぬなよとは言わない」
「なんだ?いじめてた頃の恨みでもあんのか?」
「んなわけあるか。ただ・・・・・お前が死ぬとは思えないからな」
「ナァーッハハハ!そりゃそうだ!いくぞ野郎ども!」

そう言ってブンスターは森の奥へと消えていった

「兄・・・じゃなくて将軍!ケビン将軍!」

すぐ後ろから声が聞こえた
頼もしくないようで頼もしい声だ
顔を見なくとも
生涯聞きなれた声と赤い服を見れば分かる

「ケントか」
「ノカン軍本隊準備できました!」
「そうか」

ケビンがケントの後ろを見ると
そこには数千の軍隊が隊列を組んでいた
ケビンは叫ぶ
そのノカンの軍隊へ向けて

「ノカンの皆!カプリコとの決着決戦が今開戦した!!
 ブンスター部隊とジェイピス部隊の活躍のお陰で出足は好調だ!
 数分で向こうの被害は数百!こちらの被害は10にも満たないときたもんだ!
 この調子でいくぞ!だが覚悟のねぇやつは置いていく!
 連れてってもケツ出して死ぬのがオチだからな!
 そしてその覚悟もあるやつだけついて来い!仲間のためにケツを出す覚悟のあるやつだけな!」

ケビンがニヤリと笑ってそういうと
オォー!という歓声が鳴り響いた
ノカン全員の叫び声だとケビンは感じた





                 






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