-ルアスの森-


「ここが・・・・ノカンとカプリコの運命を決める場か・・・・」

ケビンは言う
戦場には着々と兵の準備が揃いつつあった
そして恐らく相手も・・・・

だが相手の姿は現時点では見えない
かなり近くまで迫っているはずだが
ここは平原ではない
ルアスの森だ。
見晴らしのいい場所も多いが森である
一筋縄にはいかないだろう
そしてカプリコ軍も甘くはない
・・・・・全精力をかけなければならない
森のほとんどのモンスターはノカンとカプリコの戦の噂を聞きつけ非難している
邪魔はない
作戦さえうまく機能すれば・・・・必ず・・・

「想いふけるってのも珍しいじゃねぇかケビンよぉ」

声に気付きケビンが振り返る
そこには一人のノカンが立っていた
それは人一倍体が特徴のノカンジェネラル
彼の名前はブンスター
ノカンほどある馬鹿でかいノカンクラブが強烈だ
ブンスターは一個隊の隊長でもある

「ブンスター。俺は将軍だぞ?呼び捨てにするな」
「ギャハハハ!将軍って呼びゃぁ"幼馴染なんだからケビンでいい"って言う癖によぉ!」
「まぁな」
「お前の弟のケントは忙しそうにしてたぜ?なのに将軍のお前ときたらノンビリ戦場視察か?ケビン」
「ケントは働くのが好きだからな。それに俺は元から将軍を任されるほどの器じゃない」
「器かどうかなんてしんねぇよ。俺だって一緒に育ったお前が将軍だなんて信じられねぇって!」
「だがブンスター。お前が隊長ってのは柄に合ってるぜ、昔から図体ばっかでかくて暴れん坊だったからな
 俺やケントやジェイピスはいつもお前にいじめられていた」

ケビンには三人の幼馴染がいた
一人は弟のケント
もう一人は目の前のノカンジェネラル。ブンスター
そして最後にニュクノカンのジェイピス

「なのに今じゃケントは今や立派な将軍補佐。ジェイピスも一隊長。そしてお前は将軍だ」
「世の中わからんもんだな」
「あぁ」
「・・・・・」
「・・・・・・」
「生きて帰るぞブンスター」
「あぁ」

ブンスターは自分の隊のノカンを呼び
そして一帯に並べた
カプリコ軍を迎え撃つ最前線隊
ブンスターの部隊は、
ノカンおじさんやアンクルノカンなどを中心とした編成である
攻撃力に至っては最強の部隊だ。
そしてその最前線に立つブンスターの大きな姿は
昔も今も変わらない頼もしさだった

TRRRRRR

ケビンの懐から音が鳴る
ケビンはすぐさま懐からWISオーブを取り出した

「ノカンもWISをする時代か・・・・武器といい道具といい、人間色に染まってきたもんだ」

ケビンはボソリと言いながらWISの返事をした
相手は偵察役の斥候部隊からだ

[将軍!カプリコだ!カプリコがもうそこまで来ている!]
[そうか。準備は完全じゃないが迎え撃つしかないな]
[くそぉ!予定より早いですね!]
[いや、"予定より早いのも予定の範囲内"だ]

ケビンはそう言ってWISを切る

「ケビン!敵か!?」

ケビンの前で隊を組んでいるブンスターが叫ぶ。
少し嬉しそうだ。

「あぁ。もう少し辛抱しろよブンスター。思いっきり暴れさせてやるからな」
「俺が我慢できる程度にしてくれよ!?」
「我慢出来なかったら俺に言ってくれ」
「言ったらどうなるんだ?暴れさせてくれんのか?」
「"もう少し我慢しろ"と言ってやる」
「・・・・・あいよ。とにかく我慢しろってこったなチクショウ」

ケビンはニヤッと笑い
WISオーブをもう一度口につけた
WISオーブの発信音が響く
そしてきっかり2コール後。
相手が受話した

[ジェイピス。予定より早いが敵が来ているそうだ。準備はいいよな?]
[誰に言ってるんだよケビン。俺はもう昔ブンスターにいじめられてた俺じゃないぜ?]
[そうだったな]
[まぁかくれんぼは俺がいつも一番だったけどな]
[だがお前が見つかる時はいつも決まってた。ニュク特有の長い耳が物陰からはみ出てる時だ
 ジェイピス。今日ははみ出てないだろうな?]
[出てねぇーよケビン。そんなへまはしない。今日はノカンの運命をにぎるかくれんぼだからな]
[あぁ、頼りにしてるぞジェイピス]
[とくかく"合図"をくれよケビン。遊びの始まりは合図があってからだからな]

「カプリコだーーー!!カプリコが見えたぞーーー!!」

ブンスターの部隊の一人のノカンが叫んだ







                 






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