別れの時がきた。 ルゼル一行は帰りの方法を発見したのだ。 発見したのはルセルだった。 帰りの方法は単純明快。 ウィザードゲートだ。 ウィザゲは目的地の媒体を利用して移動する魔術である。 ならば元の世界の媒体があれば元の世界にゲートで飛べるという事だった。 「じゃぁ、ルロクスさん、ルセルさん。お元気で〜」 「あぁ〜、アレックスもな〜!」 「言われなくたって元気なのが周りにいるからな」 「会えないと思うとさみしいよな〜」 「また会えるさルロクス。 逆を言えばこちらの世界の媒体があればいつでも飛んでこれるわけなんだから」 「あぁそっか」 「じゃぁ次の時までお別れですね」 「ルゼルとジルンコもほどよく元気でな」 「はい〜、いろいろありがとうございます〜」 ルゼルが笑顔で大きく手を振る。 その横でジルコンも小さく手を振った。 そして最後にジルコンはドジャーに向けて言葉を発した。 「ドジャーさん。最後もう一度だけ言っておきます」 「おぅ?」 ジルコンは小さな笑顔を浮かべながら言った。 「俺はジルンコじゃなくてジルコンです」 「あぁ、知ってる」 ドジャーもフッと小さな笑顔でそれに答えた。 ゲートの光に4人の姿が包まれた。 そして一瞬でどこかへ飛んでいってしまった。 そこにはまるで最初から誰もいなかったかのようないつもの光景が広がっていた。 「行っちゃいましたねドジャーさん」 「あぁ」 「本当に他の世界の人達なんでしょうかね」 「さぁな」 「気にならないんですか?」 「ま、気にならなくもないがな、 違う世界だろうがなんだろうがどっかにゃあいつらはいるんだろうよ」 「まぁそうですね」 「それにコレがある」 ドジャーは親指でピンと何かを空中に弾き上げた。 そして落ちてきたそれを手でキャッチした。 手を広げてアレックスに見せる。 「なんですかこれ?」 「さぁな、多分城壁のカケラかなんかだろ」 「どこでそんなもの・・・・ってまさか!?」 「そのまさか、ジルンコの服のポケットからスった。 財布狙いだったんだけどな。入ってたのはこんなもんだった」 「そうですか・・・・」 「でも、ま。分かるだろ?」 「あぁ、はい。これを媒体にすれば・・・・」 「そういうこった。今度は俺達が旅行といこうぜ?」 偶然が引き合わせた4人と2人の出会い。 偶然が引き合わせた2つの世界。 しかしいつも出会いは偶然で出来ているものだ。 だがもう一度会いたいと思うなら、 これからも会いたいと思うなら、 そこから先は偶然でなくてもいいらしい。 |
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